大好きな彼女に理不尽な扱いを受け、憤懣やるかたなく自分にぼやいてくる彼が、藍はちょっと愛しくなった。
「絶対、男とおるし」
悟がポソッと呟いた。
(フフ、ほんまはそこやんな。
一個目でも二個目でもなくて、本当に気になってしゃあないのはそこやろ?)
不安と嫉妬がぐるぐると頭の中を支配し、その気持ちの持って行き場がなくて、悟はずっとここに立っているのだ。
そう思うと藍は彼がいじらしかった。
「いいな、マリアは」
「何が?」
「だって大好きな男の子に、こんなに焼きもち妬いてもらえるねんもん、幸せやん」
「は?」
悟が呆れた声を出した。
「大好きな相手にこんな仕打ちはせんやろ」



