「わかってるし」
怒ったように悟が言い捨て、藍の手から自分の携帯を取り上げメールを再読し出す。
「二個腹立つことがあんねん」
「うん」
「一個はな、何でもっと早くに言えへんのかってこと。待ち合わせの場所に着いてからこんなメール来たら、誰かて怒るで」
「うんうん」
思いっ切り大きく、藍は頷いて見せた。
(きっと行きの電車の中で、バイト仲間からのお誘いメールが来たんやわ。
で、楽しそうやしマリアはそっちに行きたなったんやろな)
「もう一個はこれ、この文面。『行かなアカンみたいやねん』って何コレ?
自分が行きたくて行くくせに、不可抗力みたいな言い方やめて欲しいわ」
「あはは、でも『行きたいから行って来るわ』って言われたら、悟怒るやろ?」
「それは…」
そこで悟は言葉に詰まる。



