目が合うと、彼は一瞬バツの悪そうな顔をした。
(わ…私服姿の悟、初めて見た)
「どしたん、待ち合わせ?」
「あ、いや…」
「?」
「念の為待ってるだけ」
「マリア?」
「…うん」
観念したように、悟がコクンと頷いた。
「もう来ぇへんやろうけど、何となく待ってるだけ。もう帰る」
「え、ドタキャンされたん?」
不意に顔を上げて悟が藍を見た。
(うわ、背ェ伸びたな、この子)
「つーかな、見てやコレ」
ずっと手にしていた携帯電話を、彼は藍に突き出した。
画面にはマリアからのメールが表示されている。
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