「俺と…付き合ってくれる?」 「…ホンマなん?」 藍が涙声になる。 「藍」 悟は体を寄せて膝を付き、彼女の両肩に手を置くとスッと身を屈めた。 (あ…) 熱い悟の吐息が藍の前髪にかかる。 ―ドックン… と一瞬、藍の心臓が跳ね、背中に嫌な汗がドッと噴き出てきた。 (大丈夫、大丈夫、大丈夫) (悟やで、悟やで、悟やで) 自分にそう言い聞かせて、藍は無理やりギュッと目を閉じた。 ドックンドックンドックン… 黒い響きに押し潰されそうになる。