「うん」 「…」 そう訊いてきたわりに、彼は何も言わずに黙って座っている。 言葉を探しあぐねているようだった。 「悟、部活頑張ってんねんなぁ」 柔らかな声で藍が言った。 「ああ、うん」 「びっくりしたよ」 「藍は? エレクトーン続けてる?」 思いがけないことを訊かれ藍が頷くと、悟はやっとニコニコッと笑った。 「俺な、藍を見習ってちゃんと頑張ろうと思ってん…」 「へ、私?」 「さしあたっては部活くらいしか頑張るもんがなかったから、今はこんな感じ」