そのとき扉が開き、悟が保健室へと駆け込んで来た。 「藍?」 白い壁を背に三角座りの膝に顔を埋める藍を見つけ、悟は慌てて飛んで来る。 「藍、苦しいんか?」 ガタガタと事務椅子や衝立にぶつかりながら、部屋の奥にいる藍の前に座り込み、彼女の肩に手を置いて悟は言った。 「ゆっくり…深く息をしてみ。大丈夫やから…」 驚いた藍が、涙の粒をいっぱいくっつけたまま悟を見上げる。 「違うよ、泣いてるだけ」 小さな声で藍が言った。