一旦外に出てウォータークーラーで給水すると、悟は練習を再開した。
一つずつ真剣にメニューをこなしていく。
左右の切り返しの練習では、端から端へと容赦なく振られるボールに、悟は素早く反応し食らいついていた。
藍達のいる入り口付近まで、キュッキュッというシューズの音とともに、悟の荒い息遣いが聞こえて来るようだった。
「…ゴメン、保健室行く」
暫くして藍が呟いた。
「え、どした? 苦しい?」
ユキ達が驚いて振り返る。
潤んだ目をして首を振った藍の唇が微かに震えていた。
「大丈夫やねんけど、ちょっと休憩。落ち着いたらちゃんと戻って来るから」
そう言うと藍は身を翻し、部屋を出て行った。



