「まだ言うか?」と小声で呟き、それからマリアは「…まぁ、そう思っとけば」と呆れ気味に言った。 「何やねん、それ」 沈黙が流れる。 窓の外には川が見え、窓枠の隅にはそこに架かった橋の上に人々が煩雑に行き交うのが見えた。 「俺…いろいろ考えとったのにな」 ポツッと悟が言った。 「何を?」 「マリアに別れを切り出されたら言う言葉」 「何それ」 「近いかな、とはずっと思っとった」 「…アホの悟」 小さな声でマリアが言った。