「マリア? あんたまた悟に待ちぼうけ食らわしてるやろ」
電話の向こうで藍が笑った。
「え」
「橋の上におったよ悟。もう会うたん?」
「ああ、うん、まぁ」
「そっか、よかった」
「藍? ちょっと聞いたけど、あんた大丈夫なん?」
マリアが訊く。
「うん、悟が助けてくれた」
「そう」
「なぁマリア、悟……泣いてくれてんで」
と藍は言った。
「えっ?」
「楡崎さんが酷いこと言うの聞いて…
『可哀想に』じゃなくって『悔しい』って泣いてくれてん」
「…そうなん」
「前にマリアやユキや将吾クンが泣いてくれたときみたいやったよ」



