「何であいつをそのまま帰したんよ。怒鳴ったり殴りかかったりするやろ、普通」
「うん…」
まさか泣いてしまったとは言えない。
「いや、相手は三人なんやし、悟が我慢してくれてほんまはよかってんけどな。
迂闊に手出しして、あんたがやられて藍が拉致られたりしたらそれこそ大変やもん」
「わかってる」
そう答えてから悟は低く呻くように言った。
「ブッ殺したればよかった、あのカス」
今でも怒りで震えそうになる。
「悟…」
「でもな俺、あいつのいやらしい眼に二度と藍を映したくなかってん、絶対に」
そう呟くように言うと、悟は窓の外に目を遣り黙り込んでしまった。



