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運ばれて来たラテのカップで、冷え切った指先を暖めながら、マリアは憤慨していた。
「楡崎のやつ、ほんま最低やな」
「ああ」
小さなカフェの窓際の二人席に向かい合って、さっきの楡崎とのいきさつを、悟はマリアに説明していた。
隠れて見張っていたマリアの場所からは楡崎達の会話は聞こえなかったので、藍に何が起こったのかマリアが聞きたがったのだ。
あの男が放った酷い言葉を、刺激の少ない言い方に変換して、悟はおおまかにマリアに伝えた。
「藍にはたぶん全部聞こえてしまったみたいやった」
と悟は付け加えた。
「そんなん…」
マリアが泣きそうになる。



