「藍?」


「あ、うん、やっぱ一人で帰る」


「……」


悟は無言で藍を見る。


その視線を外すように、藍は下を向いた。




「悟はほら、マリアとデートやろ?」


「……」


「そんなに気ィ遣って貰わんでも平気やし、うん」


「……」


それでも感じる悟の視線が痛くて、藍は何だかしどろもどろになってしまう。


「えっと…ありがと、大丈夫やから」






「藍は……俺が怖いん?」


目を上げると、悟が真っ直ぐに自分を見ていた。