(あかん…) 藍の胸がトクンと鳴った。 (そんな目で見詰められたら、私…抑え切れんようになるもん) この手をずっと離したくなくなる。 マリアじゃなくて自分を見て欲しい…と心から願うようになる。 ――足が動かなかった。 あの日の、少し幼かったマリアの泣き顔が目に浮かぶ。 (マリア…) 次の瞬間、藍は思わず手を引っ込めていた。