悟の息がやっと整い、藍はそっと彼から体を離す。
「ハイ」
ポケットからミニタオルを取り出して悟に差し出すと、彼は無言でそれを受け取り、藍の目元をちょんちょんと拭いた。
恥ずかしいのか目を合わさない。
「あはは、自分のを拭きなさい」
と藍が笑うと、彼は「いい」と言ってタオルをそのまま突き返す。
「それ、藍のハナついたし」
悟はヒョイと横を向き、自分が着ているロンTの裾をビヨッと伸ばすと、それで顔をゴシゴシ拭いた。
「残念! その服にももうハナはついている…」
藍がそう言うと、悟がそのままの姿勢でプスッと吹き出した。



