「チッ、見失ったな」 やり過ごすはずだった男達は藍を追いかけるのを諦めて、悪いことに悟の真横のスペースにバラバラとたどり着いた。 それがわかるのか、背中に回された藍の手にグッと力が入る。 「大丈夫、気付いてないから」 悟はなるべくゆったりとした口調で囁いた。 「誰やねん、あの女の子?」 男達は大声で話し始める。 「元カノ」 「は? 元カノにあんな血相変えて逃げられるなんて、ニレ、お前どんだけ酷い男やねん」 「ほんまや、お前を見た瞬間固まっとったぞ、あの子」 へへッ…と楡崎は笑った。