怖いんだろうと思う。 藍はガクガクと膝に力が入らないのか、ときどきストンとズレ落ちそうになるのを、悟はグイッと持ち上げるように支えた。 ダウンの下にはロンT二枚を重ね着しているだけの彼には、藍の体温が直に感じられ、彼女の緊張までもが伝わって来るようだった。 (こんなに怯えて…。誰やねん、あいつら) 気になるが振り向くことは出来ない 抱擁するカップルの振りをして、やつらをやり過ごすまでは。 「大丈夫…怖くないよ」 震える髪に小声で囁いたら、腕の中で藍が小さく頷いたのがわかった。