その日曜日―― ミナミの橋の上に悟は来ていた。 (1時か) 彼は開けていた携帯を閉じ、無造作にポケットに突っ込んだ。 別にメールが来る当てもなく、何となく時間をチェックしただけだ。 (まだ早いよな) 橋の欄干にもたれて、悟は南から北へと向かう人の流れを眺めていた。 (前に会ったとき、たぶんレッスンは2時からとか言うてたはずやねん) エレクトーン教室へ向かう藍が通るのを、悟は待っていた。 (先週はあかんかったけど、今日は必ず見つける) そう心に決めていた。