「夏休みでバイトのときしか顔合わせてなくて、ウチらはそれに気付いてあげられへんかった。 三度目にドライブに誘われてた日、藍はバイト中初めて過呼吸になって… それでやっとわかってん」 マリアの言葉に悟は目の前がぼんやりとしてくる。 「あの子はキスも初めてやってんで。どんなに怖かったか、どんなに悲しかったか… そんな気持ちが、あんたにわかるん?」 棒のように固まった悟は思わず首を横に振った。