「マジで…言ってる?」


マリアの声が震える。


「俺の腕の中で藍は発作を起こして…。それぐらいあの子は怖かったんやと思う」



バシッとマリアが悟の頬を叩くのと、ユキがドゴッと蹴りを入れるのがほぼ同時だった。




「何してくれてんねん、悟のボケッ! あほっ! 死ねっ!」


ユキの声が詰まり、涙声になっていく。



「藍が今までどんだけ頑張って元気になったと思ってんのよっ!」


「…うん」


「藍は…その人のことが大好きで、優しい彼氏やと信じていて…
なのにあいつは、藍がどんなに泣いて嫌がっても許してはくれへんかってんで。


その藍にあんたは何をしてくれてんねん」