悟は一瞬マリアを見て、それから視線を下に落とした。 「…うん、知ってる」 「ほんまに?」 「俺のせいやから」 藍の震える肩を悟は思い出していた。 肩も指先も唇も、藍の涙も笑顔も… 昨日から何度となく 頭の中に浮かんでは消えていった。 小さな沈黙の後、彼は視線を戻した。 「藍にキスした」 「は?」 二人は一瞬ポカンとする。 「マリアが他の男とキスしてるとこ見て、俺バグってしもて……嫌がるあの子を力づくで抱き締めて、キスをした」 悟は一息にそう言った。