久し振りに聞くその響きに、藍の記憶がリアルに呼び覚まされる。 『楡崎さんが可愛いなって言ってくれてん』 『楡崎さんメールでめっちゃ優しいこと言ってくれる』 藍はその頃彼に夢中で、同じバイトに入っているマリアやユキにいつも嬉しそうにのろけていた。 今にして思えば、その楡崎という男は初めから藍に気持ちなどなかったことは明らかで、そういう結末を迎えてみて、初めて藍はそれを思い知った。