「中華屋でテーブルの皿の中に、皆が手を伸ばさんようになった食いもんが少しずつ残ってくるやろ?
遠慮の固まりみたいになった唐揚げ一個とかそういうやつ。
それをマリアは端の方であんまり食うてなかった一年生の取り皿にいちいち入れていくねん。優しい子やなって思った」
「ほんで?」
「俺の皿にもエビチリとか入れてニコッて笑ってくれて、メッチャ嬉しかった」
ブハハハと三人はまた爆笑した。
「結局マリアと同じやんな。お互いにその笑顔に一目惚れしたってことやん」
「え、そうなる?」
「そうなる!」
話を引き取ってマリアが続けた。
「で、店の外に出てから『ウチと付き合ってくれへん?』って言うたら、悟が『別にええよ』って言うてくれてん。なっ」
「うんまぁ…マリアがそんな曰付きの女やと思えへんから」



