翌朝―――
いつもの携帯のアラーム音で藍は目を覚ました。
ムクッと、ベッドの上に座ってみる。
(なーんや、普段通りやん)
昨夜はなかなか寝つけずに、何度も寝返りを打ったことを覚えている。
それでもいつの間にか藍は眠りにつき、今目覚めてベッドから降り、制服のブラウスに袖を通している。
(あのときとは違う)
あの夏の日、自分の身に起こったことが悲しくて辛くて、もう立ち上がることすら出来ないのではないかと思えた。
毎晩布団にもぐると涙が出たし、朝になると鉛のように体が重かった。
失くしたものがただ悲しくて、現実を受け入れられずに泣いてばかりいた。



