「マリア…」 「ん?」 「藍の家は駅から近いん?」 ずっと気になっていたことを悟は訊いた。 「うん、五分くらいかな。何で?」 「あの子…しんどそうやったから、家まで送った方が良かったかと思って」 「え」 マリアの顔色がサッと変わる。 「しんどそうって? 息が苦しそうやった?」 「うん…」 いっそ自分のしたことを全部マリアにぶちまけてしまおうかと悟は思う。 さっきみたいに、マリアの笑顔や仕草にいちいち舞い上がる自分が情けない。 (最低やぞ、お前)