約束した駅のホームのベンチに座っていると、突然声が降って来た。
「悟!」
見上げると真ん前にマリアが鮮やかな笑顔をたたえ立っている。
ホームにいたくせに考え事をしていて、電車が入って来たことにも出て行ったことにも、悟は気が付かなかった。
「何食べる? ここらへん焼き肉屋さんあるん?」
明るくマリアが訊いた。
「いや、今日はええわ。話聞いたら帰る」
「えー、今日はウチの奢りやで」
ちょっと悟の顔を覗き込むようにしながら、マリアは彼の隣に腰を下ろした。
年下の彼氏が拗ねていると思ったらしい。
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