(悟はきっと呆れたやろな) 自分はただただ怖くて身を固めてしまったけれど、悟のキスは大人っぽくてきっと上手だったんだろうと藍は思う。 唇に耳元に激しく柔らかく…悟の熱い唇が触れた。 マリアはああいうことをされてどういう顔をするのだろう。 (私は…息も出来なくなって気絶した) 藍の瞳からポロポロと涙が転がり落ちた。 「恥ずかし…」 恥ずかしくて悲しくて、涙は藍が電車を降りるまでずっとずっと止まらなかった。