「そうか? マリアも優しいやろ」 「優しいけど、ときどきビックリするほど残酷やで。は、容赦ないわ」 そう言って目を伏せた悟の横顔は、自嘲に満ちた哀しい色をしていた。 どんなに振り払おうとしても、さっきのマリアのキスが頭から離れない。 紅潮したマリアの顔―― 自分以外の男が彼女の柔らかい唇を奪っていた。 そしてマリアはそれを許した…。 湧き上がる感情の波をやり過ごそうとして叶わずに、悟は溺れていく。