「え?」 「あは、近過ぎ、悟」 慌ててそう言った藍は、普段とは違い、少し幼く見えた。 支払いを済ませ、悟が小さな小さな紙袋を差し出すと、藍は神妙にそれを受け取り、はにかんだように笑った。 「ありがとう。大切にする…」 そう言うと彼女はそれを そっとジャケットのポケットへと滑らせた――