この涙が落ちるとき






「せーので行くぞ」


「うん。」


俺は、今気付いた。


その…。恵美が、好きと言うことを。


でも、叶いそうにない。


だから、今言ってしまおう。


「恵美。…せーのっ」


ピーーーーッ


ホイッスルの音と共に、リレーは終わった。


「恵美」


「緑、くんっ…。緑、くん…緑くん!」


恵美が泣いていた。


俺は、そっと恵美を抱きしめた。


「緑、くん……?」


「恵美…俺、恵美のこと好きみたい」


「……っ」


恵美は何も言わなかった。


何も言わず、ただ俺の胸で泣いていた。


泣き終わると、ギュッと俺の腕を掴んでいた。


最後に、色紙を渡した。


こうして、恵美の教育実習生としての2週間は終わった。