この涙が落ちるとき






「げっ。あれ、渡辺じゃん」


動かない俺を不思議に思ったのか、渉が俺の目線をたどりそう言った。


「誰だよ、渡辺」


「3年の理科の教師。んで、生徒に手を出したとか」


「うわっ。変態教師」


「そ。だから、中野先生危ないかもね」


そーゆーこと、さらっと言うなよ。


俺たちが喋ってる間に二人は別れていて、恵美がこっちに向かってきていた。


「あら、二人とも。おはよう」


「「ざいまーす」」


「…君たち、私をなめてるでしょ」


「いや、他のセンセーにもこんなカンジ」


「あら、悪い子ね」


そう言って、恵美は俺たちの髪の毛をわしゃわしゃと撫でた。