でも、こういう展開になって良かったかもしれない。 料理に集中していれば、圭のことを考えなくて済むわけで。つまりは、無駄に意識することもないわけで。 昼間、屋上での圭とのやり取りが頭をかすめるうちは、きっと圭に“普通”に接することが出来ないと思うから。 今も、キス出来そうな距離で見た圭の顔をハッキリと思い出すことが出来る。思い出すだけで心拍数が上がる。 …それが私だけだとわかっていても。