「さりげなく嫌味ですか?」 圭は、家事全般が得意だった。というより、おそらく出来ないことがないのだと思う。長い間圭と一緒にいるけど、圭が出来ないこと、って見た記憶がない。 もちろん、圭だって最初から全て完璧に出来るわけではない。圭は、皆の見ていないところで人一倍努力している。私はそれを知っている。努力家なのだ、圭は。 元々生まれ持った才能が全くないわけではないと思うけれど。 「そういえば俺、奈都の手料理って食べたことないかも」