「遅いよ」 「…圭が早いんだよ」 「そう? 授業はちゃんと出てたんだけどなー」 「……どうだか」 「何か言った?」 「いいえ、何も」 結局あの後、授業を丸々1時間サボってしまった。用件は授業開始時刻の10分後くらいには終わっていたと思うけれど。 『今日天気良いし、風は気持ち良いし、授業とか受けてる場合じゃないよね』 にこにこしながら言う圭に呆れつつも、結局私も一緒に圭と屋上にいた。 …あの笑顔は反則だと思う。首を縦に振ることしか出来なくても仕方ないことだと思う。 うん、ごめんね先生。