ハッピーエンド



圭が心配そうに私の顔を覗き込む。


…前まではきっと、私だけの特典だった圭の優しさ。他の人にだって変わらず優しい圭だけれど、それでも私が特別だと感じていた。周りにも、そう言われたから。

でも、もう違うんだ。




「…圭、は、もうあたしと、…一緒にいてくれなくなっちゃうの…?」


圭が私の言葉に目を丸くした。…すがるように圭の腕を掴んで、圭を見つめる私が、その瞳に映っているのが見える。

少しの沈黙のあと、圭は優しく瞳を緩ませ、ぎゅっと力強く私を抱きしめてくれた。