「…カノ、ジョ?」 そんな幼い私に、“当たり前”がずっと続くと思っていた私に、それはあまりにも衝撃的で、ショッキングな発言だった。 自分の声が自分のものではないような感覚。どこから出したんだ、と自分自身にツッコミたくなるほどだ。 何故こんなにも驚いているのか、声が震えるのか、その時はまだわからなかった。 「そ、カノジョ」 「…圭、彼女なんていたの?」 「ん? うん、まぁね。別にフツーでしょ?中学生だし」 「…フツー、なの?」