「なつ……ごめん」 肩に手を置かれても、振り返ることができなかった。 息の荒さから、走って追いかけてきてくれたのだとわかる。 でも、だけど。 あたしに振り返る資格なんかないんだよ。 「ごめん……っ」 「謝らないで……」 悪いのは、あたしだ。 だって、彼があまりにみんなにも優しいから、彼女だって自信がなくなっちゃった。 だけどそんなことを言って嫌われるのが怖くて、サヨナラを告げたんだから。 ……ごめんは、ホントはあたしが言うべきなんだ。