四文字チョコレート





チョコレートを紙袋に戻して、もう一度だけ彼からもらった手紙の四文字を眺める。


ホント、あたしって勝手だとつくづく思う。


あたしは彼を傷つける四文字だったのに、彼からの四文字で喜ぶなんて。


……これは、挽回しないとね。



彼がチョコレートに添えた四文字。


それはあたしと同じようにシンプルな言葉。


だってやっぱり、長々しい言葉なんか必要ないもん。



彼がくれた言葉、それは……



「ねぇ。あたしもだからね」


「……知ってるよ」



──“ダイスキ”。



END.