とりあえず言われるがままに、彼から受け取った紙袋の中を覗く。
中にはラッピングされた正方形の箱が入っている。
「え? ねぇ、これ……」
「ちゃんと、中見て」
もしかしてと顔を上げると、真剣な眼差しをした彼がそう言った。
バレンタインの日。
それから、紙袋にある製菓店の文字。
あたしの予想は、たぶん当たっているだろう。
箱を中から取り出して、ラッピングを開けてしまおうとして、ふと手を止めた。
何だろう、これ。
あたしは、紙袋にまだ何かが入っていることに気づいてそれを手に取った。
紙袋と、同じようなピンク色の封筒。



