「駄目かな?」
照れ臭そうにはにかまわれたら、内容を言われなくとも伝わってしまうではないか。
蕩ける瞳、両端が上がった唇、誰が見ても幸せに満ちている人。
「クリスマスここで選ぶんだ?」
結衣を仄めかす話をしただけで、耳を真っ赤にするから可愛い。
散々モテてきただろうに、いちいち初恋のような反応を見せるから母性本能をくすぐられてしまう。
こうやって彼が丁寧に恋愛をすることは、すなわち大塚の失恋に繋がるので、
彼を不憫に感じる私はますます切なくなるばかりだ。
私たちの世界は狭い。
放課後は駅前に行けば、生活圏が被るせいかとりあえず知り合いと遭遇する。
だったらなぜ好きな人に出会えないのか。



