短いチョーク、期限切れした掲示物、忘れさられた落とし物入れ、荷物がはみ出たロッカー、座席表が貼られた教卓ー……
病院の待合室で大太鼓を鳴らしたような状況に合わない迫力ある爆音が鳴り響いた。
「田上!、ケータイ没収されたい訳?」
「、わ、せんせ!」
授業中の携帯電話使用を注意され、結衣は間違いなく教室の主役となる。
「彼氏かー? 田上」
学生の時にしか味わえない感覚、――それは生徒だけではなく先生にまで交際を知られていて、
認められるどころか、好意的に茶化される存在となること。
やいのやいの囃されてこそ青春なのだ。
とっても甘酸っぱい尊さに溢れているから、傍観者の私は切ない。



