携帯電話にあるYのストラップが揺れて、白い耳にある長いピアスが揺れて、
贅沢な彼女を前に、小崎里緒菜の恋心が汚く揺れる。
この苛立ちは何?
とにかく結衣がうざったくて、「好きなら普通じゃん?」と、私は咎めるような口調で――本当は睨みたいが笑顔で言った。
若干気分を害したからと、露骨に態度に出すのはあまりに幼い為、
絶賛女子高生をしている私は、当然コミュニケーションスキルを気にするからスマイルスマイル。
初恋に戸惑う友人を応援するようにして、嘘の笑顔で意地悪を言った。
悩むということは好きの度合いが足りないのだと、含みをこめて。
『普通』と唱えることは相手への牽制となる――意地悪な私。



