早く諦めたらいいのに。
どうして勉強ができる人は恋愛になると馬鹿になるのだろうか。
そういうところが苛々する。
好きな分だけ腹が立つ。
大塚は馬鹿、私を好きになった方が幸せなんだから、彼氏にベタ惚れの結衣を好きだなんてドアホだ。
本鈴が教室に響く頃、二つの恋心は悲しみに泣いていた。
でも大丈夫、いつか私が大塚を癒せる人になるから――……なんて、無償の愛を貫けば女子高生の純愛なんでしょう?
だから、私は彼を想う。
授業中も彼を想う、先生に注意されようが彼を想う。永遠に彼を想えば報われるって聞くから。
太陽はキラキラ、空は青い、空気は澄んでいる――と、自然を味わえたなら私はきっと乙女になれる。



