そう、報われない片思いをしているのは何も私だけではない。
結衣を好きな大塚は、彼氏持ちの子に叶わない恋をしているのだ。
、…………
あまりに甘い光景を前に、残された自分たちはお互い切なさを押し殺すしかなかったから、
半径一メートルは空気がしけている。
辛そうに眉を寄せる大塚の哀切さが私を傷付ける度合いとも言えるはずだ。
こうやって悲しそうにされると、それだけ彼は結衣を好きなのだと失恋を認めるしかなくなり、
ちっとも自分なんかを見てくれないのだと切なくなる私は、たちまち意欲を無くしてしまうから、
やっぱりムードが悪かった。



