十年後に大塚が高校生活を思い出す時、一番に蘇るのは結衣であって叶わなかった恋であって、小崎里緒菜ではない。

私はいつも彼を想うのに――だから切ない。


三年後くらいの未来、成人式に出る私には自慢の彼氏が居るでしょう――『いつかどこかで再会したら、大塚は大人になったあたしを好きになるのかな?』――振られていないから永遠に好きでいられる恋。


叶わなかった恋はずっとずっと記憶に生きるから、新しい恋をしても相変わらず私はもしもを懐古しあいつに恋をしているのだろう。