好きな人が笑ってくれたら誰だって嬉しいと思う。
大塚を喜ばせたいなら、彼が知らない結衣の私生活の話をすることでプリクラもそう、休日の彼女について語ってあげると私に笑いかけてくれる。
唯一、私が彼を幸せにできる方法。あの子は大切な接点。
プリクラは私と愛美と結衣と近藤君と市井君の五人で遊んだ時のもので、
『近藤結衣』と落書きをした一枚をしきりに指差し、
間接的に失恋しているのだと知らせてやる意地悪をする癖は治らない。
「小崎さんだって。私服可愛いよ?」
いつものように大塚は笑顔で告げた。
それって結構残酷で、でも彼は私の気持ちなんか知らなくて……やっぱり切ない。



