本人に尋ねなくても、あの子の心はまだ無理だと分かりきっている。
確かな証明はできないが、一年の頃から仲良くしていたから女子高生によるマルチな親友パワーでだいたい予想はつく。
彼氏を好きな分、きっと不安の方が大きい――彼女はそういう子。
ね? こうやって親友を労る里緒菜チャンてば男子が好きな優しい女の子そのものなのに、
大塚は馬鹿だから恋人にしたい要素たっぷりな私の魅力を知らない。
「……大丈夫かな? なんか、結衣どうなんだろ。愛美聞いてない?」
幼くも可愛い幸せに満ちた恋愛をしている結衣に喜んで付き合う近藤君という二人の関係は綺麗で憧れる私は、
親友目線で普通に彼らを応援してあげたくなる、心から本当に。
大塚を近藤君に結衣を自分に変換して学校で眺めているから、
毎日が切ない小崎里緒菜は二人に『いつまでも幸せに暮らしましたとさ』の文章通りの未来を歩んでほしいと願うのだろう。
卒業しても。五年後も。そりゃあ乙女らしく結婚してほしいとまで祈ってしまう訳だ。



