切ない純愛崩れ


授業が始まるチャイムたちに背中を押されるのに、少年少女は廊下に佇んだまま見つめ合っていた。

熱が篭った視線を交わす二人は隣校舎から目撃した生徒からすれば、

恋人同士に思えなくもないだろうが、現場に漂う空気の悪さったらなかった。


笑顔を絶やさない私は天然なふりをし、あくまで無意識に好きな人を傷付ける作業に没頭していた。


「ねー、結衣と近藤くんってお似合い! 憧れる。ラブラブだよねー。だからクリスマス会なしね? 皆予定あるってさ。私は暇だけどね」


黙ったままの大塚は唇を噛み締め、あの子を想い耐えている。
一途な人は馬鹿みたいだから嫌いだ。

狭い世界で現実を見れていない私にそっくりな彼は辛気臭く欝陶しいばかりで、

周りを見ろと教えてあげたいけど、あの子の声しか聞こえないから意味がない。


だって、ずっと意地悪な呪文を唱えているのに、大塚ってば可愛い里緒菜チャンに惚れる催眠術にかかってくれない。