なぜ食堂のおばちゃんはお気に入り君には大盛りにするのか、なぜカレーライスにみそ汁がセットなのか、
くだらないけれど青春には意味がある論争を下級生たちが繰り広げている。
プライドが高い私は消沈した空気を放出させたくなくて、
紹介してくれた人が凄くかっこよかったけれど来年は受験生だし恋愛より勉強をするのだと話を逸らした。
何もしなくても受かる定員割れの短大しか狙っていない癖に。
「近藤さんより普通にかっこよかったよ?」
つまらない冗談に対して「えー、俺のがイイ男だし? あはは」と、模範的な相槌を近藤君が打ち、
「あはは! 一番イケメン、彼女のひいき目で近藤君」と、こちらもまた結衣が学生らしく続けた。
「で、田上さんが世界一の美女な?」
「それ有名ですけどー?」
「いや宇宙一でしょ」
低レベルな会話を繰り広げる楽しそうな二人は憧れで――でも大塚と私なら叶わない夢。



