結衣は来ない。皆来ない。
好きな子が不在なら大塚は来てくれない。
あの子という付加価値がない自分は彼に不必要な存在だから、私は私という人が嫌いになる。
なんせ一年半も実らない片思いをしていたせいで、どうしても悲観する癖が抜けない。
悲しい苦しいむなしいとあれこれ切ないワードを頭へ巡らせることが特技となってしまっているらしく、
心臓の辺が痛くて泣きそうになった。
「そっかー、私バイトかなー。あはは。てか結衣がイケメン紹介してくれたんだけどさー流しちゃった」
女子高生らしく笑うのは、片思い歴イコール失恋期間の小崎里緒菜。
陽気に振る舞う理由は切なさに浸ると現実逃避の渦から抜け出せなくなりそうで怖いからだ。
それから、叶わない恋へ執着するしつこさに引かれたくないからだ。



