切ない純愛崩れ


――なんて、泣きやしない。

ねえ、だって聞いて。
女子高生をしている自分がたらたら恋について語るというこのセンチメンタル浸り具合が笑えるじゃないか。

そう、こんな安っぽい切なさは要らないのだから。


小崎里緒菜は切ないという言葉が苦手だ。

理由はなんかよく分からないけれど、切ない切ないと悲しむのは、なんとなく構ってちゃんみたいだからだ。

そもそも切ないイコール純粋みたいに可憐なイメージが強い故、

薄汚れた私が切ないを乱発するのは似合わないから。